マネジメントを体系的に習得できる機会が少ない 例えば、大学やMBAのコース等に出席する場合には、マネジメントに関する全体を学ぶ事ができます。しかし、学生でない場合、そのような場に出席するのはかなり難しくなってしまいます。 一方、一般的なセミナーや研修ではマネジメント全体について学ぶことができないことが多いというのが実情です。例えば、目標管理、マーケティング、リストラクチャリング、リエンジニアリング、イノベーション、人事評価制度、リーダーシップ、財務管理等、その時々において注目されているテーマや、人気のあるテーマが多く扱われます。そのため、どうしても「特定の分野の情報を得る」ことが主体となってしまい、マネジメント全体に関して知ることができません。 「特定のテーマだけであっても、学ぶことは良いことなのではないか」という意見があります。確かに情報を得ることは大切です。その意味で、「学んだ事」は財産になっていると思います。しかし、実務においては「自分の組織の現状を分析し」「原因を明らかにし」「何が必要かを明らかにし」「具体策を検討し」「決定して実行する」という一連の流れの中で、学んだことが使われなくてはなりません。「マネジメントにおける必要な情報を必要に応じて使える」ことが大切なのです。 例えば、「目標管理」について学ぶことと、「それを自分の組織に、今導入すべきかどうか」は別な問題です。「目標管理」を学んだ人の中で、成果が得られる人というのは、 ・
「学んだことを導入し」、 ・
「そのタイミングが自分達の組織にとって丁度良いタイミングであり」、 ・
「方法も自分の組織に合っていた」 という場合のみです。学んだことを導入しなければ、ただの情報で終わってしまいます。しかし、自分の組織にどのタイミングで導入すべきか、どのような方法で導入すべきか、ということを十分検討した上で導入しなければ、成功にはたどりつかないのです。 「たまたま紹介された方法をそのまま用いてみた」「良いことを学んだから、早速自社でも導入してみよう」では成功は期待できません。そのような取り組みでは、ほとんどの場合、組織に軋轢を与えるだけだったり、新たな仕事を増やしただけで終わってしまいます。 マネジメントを学び、成果に結びつけるためには、マネジメントの中の一部を切り取って学ぶのではなく、体系だてて学ばなければならないのです。 マネジメントの体系を理解しているならば、マネジメントのスキルに優れてはいなくとも、マネジメントとして、しかも一流のマネジメントとして成果をあげることができる。逆に、マネジメントの体系を理解していなければ、いかにマネジメントのスキルに優れていようとも、とうていマネジメントたりうることはできない。 (出典:「マネジメント」より P.F.ドラッカー著 上田惇生訳 ダイヤモンド社刊)
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a.マネジメントを体系的に習得できる機会が少ない |
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マネジメントを学ぶための方法 | |||
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